2013年2月12日火曜日

ブリード用品の紹介(2/14修正)

まず、ブリードの近況ですが、3本目の管理の失敗から、菌糸の劣化が激しく
4本目へ突入したものが多くなってきました。
期待の幼虫たちも軒並み3~5gダイエットしています・・・・トホホ
一番期待の能勢A-1番33.5g→27.0g
一番デブだった能勢D-7番36.0g→31.0g
といった具合です。

でも、蛹化まではまだ少し時間はあるので、回復してくれることを期待しています。
劣化の原因は、温度降下時期のファンの風により側面にキノコが発生し、
時間が経過して腐敗したようで、注目の個体は特に見える位置(=風がよく当たる)
に置いてあったため被害が大きくなってしまいました。

ただ、こんな環境でもWISHの既製ボトルは劣化の兆候が見られないので、自詰め分は
詰め方にも問題があったのかも知れません。
来期は同じ失敗を犯さぬようにせねば・・・・・



先日、よく参考にさせて頂いているサイト“オオクワガタ自由研究ノート”のwaizuさんが
硬質スプーンの改造について記載されていました。

私も同じように、ボトル交換時の廃菌糸の撤去に苦労してたので、

“あっ、同じだー!”

ついコメントせずにいられなくなったと同時に、
うちの改造スプーンはじめ、菌糸グッズも一部ご紹介したいと思います。



まず、背後にあるプレスマシンはご存じ Ashtakaプレスです。
以前にも書きましたが、土台のボトル置き場はベニヤの摩耗対策にステンレス板を貼っています。
         
プラスティックボトルの場合はこれで全く問題なく、半永久的に使用でき、
衛生面でもおすすめです。
幸いホームセンターの切り板そのままのサイズで、コーナー面取りするだけで使用できました。
(ちなみにプレスバージョンはタイプⅠです。)

そのステンレス板の中央に乗っている木片は、菌糸を詰める際に穴をあけるためのものです。
9割くらい力で詰めた後、上に載せくぼみを作ったり、穴を開けたりします。



左はちょうど2令メスが横になれるくらいの大きさです。
右二つは穴開け用ですが、一杯まで押し込むと抜けなくなるのと、途中で止めると穴の周囲の
菌糸に若干乱れが生じる事があるので、ワッシャーみたいなものを入れてみようと思っています。


次にスプーン関係ですが、左3本はTatsuさんから頂いたもので、主に添加剤の計量に使用しています。

真ん中の内張剥がしもTatsuさんから教えて頂いたもので、割り出し用に使用しています。

その隣の赤い柄の道具は、草ひきの道具なんですが、菌糸交換時に幼虫を取り出した後の
廃菌糸を掻き出すのに使用します。
破壊力抜群なんですが、最近めっきり出番が減っています・・・・・。

というのも右端の柄が付いたスプーンが登場したからです。

菌糸交換では100均のマドラースプーンを使っていましたが、先端の湾曲が大きく、
菌糸とボトルの隙間に入りにくかったのと、スプーンの柄が細く、
数が増えると手のひらが痛くなってくるのが悩みでした。

いいものが無いか探していたところ、仕事場近くの“ビブレ”で丈夫そうなマドラースプーンを
発見したので、これは!と思い改造をスタートさせました。





改良点は、まずwaizuさん同様先端を薄くして菌糸とボトルの隙間に入りやすくすし、
手が痛くならないようにヤスリ用の柄を取り付けました。

元々のスプーンの曲面が緩やかで、丁度ボトルの側面Rにマッチしますので、
先端を怪我しない程度まで削り、傷つかないようにコンパウンドで磨いてあります。

柄の方は、幸い無加工でちょうどスッポリ入ったので、エポキシで固定するだけです。


これでも十分でしたが、その後自分好みに改良を重ね、テコの原理が効かせやすいように
首の角度を若干きつめにしたのと、長すぎても使いずらかったので、少し斜めにして
ボトル底に着くくらいの長さに変更しました。



曲げ加工については、SUS304なので、焼きはほとんど入らないと思っていましたが、戻らないように焼き入れすると意外と硬度が上がり、プレスマシンの堅詰めでも戻ることはありません。

今では交換時は幼虫掘り出し、菌糸穴開け、廃菌糸撤去までこれ1本で済ませています。

それぞれに特化すればもっと優れた道具は出来ると思いますが、持ち替えるのも面倒に思うくらい不精者なので、現状これで大変満足しています。


子供の頃から工作好きだったので、オリジナルの道具なんかを作るのも、今ではブリードの楽しみの一つになっています。

注:2/14追記 詳しく調べましたら、SUS304はやはり焼き入れ効果は常温においては期待出来ず、場合によってはもろくなったり、錆びやすくなったりする恐れがありますので、おすすめ出来ません。現状問題なく使用できているのは元々の強度が高かったためで、焼き入れの効果ではないと思われます。


8 件のコメント:

  1. おはようございます。

    大変勉強になりました!
    確かに、長年使うとプレスのべニア板が摩耗する可能性がありますねぇ・・・。

    それにしてもマドラースプーンはよさそうですね!!
    表面積が小さいので大きな力が得られそうですし、何より柄があるのが最高です!
    持ちやすそうで、うらやましくなりました。

    ところで、コンパウンドで磨くと言うのは、どんなものを使用されたのでしょうか?

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  2. waizuさん
    こんばんは。
    大先輩からコメント頂き恐縮です。
    どうもありがとうございます。

    台座、そうですね。OPのゴムを注文しなかったので、代りの物を探すうちにたどり着きました。
    ゴムも劣化が心配でしたし、瓶は使わないので思い切ってステンレスを選択してみました。
    ちなみに厚さは0.8mmですが、強度的には問題なさそうです。

    スプーンは先端が小さいので、新しい菌糸の幼虫投入穴なんかを細工するのにも重宝します。
    でも、幼虫抜いた後の廃菌糸ボトルをまとめてガバガバやるんでしたら、waizuさんのスプーン
    が向いてるんじゃないでしょうか・・・

    あっ、もしあれに柄が付けば最強でしょうね!(笑

    コンパウンドですが、いわゆる研磨剤(磨き粉)で、一般的に手に入りやすいのは車の塗装面に
    付いた小傷を研磨して消す用途で、カー用品店に売っており、金属やガラスも磨く事ができます。

    液体タイプや半固形タイプ、細かさも細目、超細目などありますが、スプーン磨きでは細目で
    十分だと思います。
    細目でも見た目きれいな鏡面になります。
    (ちなみに焼き入れで青黒く焼けた跡も磨けば分からなくなりました。)
    似たような商品でクレンザーがありますが、研磨力は劣りますので、同程度に仕上げるのに
    倍くらい時間がかかりますから注意が必要です。

    コンパウンドで仕上げる前に、一度細かな紙やすりで磨いておくと良いと思います。

    というか、傷付けないという目的であれば細かな紙やすり迄で十分だと思います。
    コンパウンド磨きは完全に自己満足の世界です。(笑

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  3. ju_tsuさん、おはようございます♪
    仕事がらこんな時間にバリバリ起きていることがあります(((^_^;)
    幼虫のダイエット残念ですね!
    36gが31gとは悲し過ぎます(>.<)
    交換した瓶で体重を少しでも戻してくれるといいですね(^-^)

    みなさん、用品には色々と拘りがあるようですね!
    私はもっぱら100均のスプーンを使っていますが、強度もあり気に入っています♪
    今では同じスプーンを100均ではみかけない為、買いだめしておけばよかった!とちょっとだけ後悔です(^_^;)
    そんな事から、失敗するのが恐くて皆さんのように加工するのを躊躇っています。

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  4. こんにちは。
    詳しく回答頂きありがとうございました。
    私も自己満足の世界が好きなので、磨いてみたくなりましたよ^_^;

    せっかくなので、もうひとつお聞きしてみます。
    身近なスプーンなどに焼きを入れる場合、どんな火力で何分くらいあぶるとよいのでしょうか?
    ちょっとひ弱な金属には焼きを入れてやろうと思います(笑)

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  5. トシクワさん
    こんばんは。
    お気遣いありがとうございます。
    体重減については実はあんまり気にしていません。
    初年度なんで勉強のつもりで何でも受け入れています。
    逆に太りすぎて羽化出来ないより、本当に良いラインなら、その資質を持ったまま
    小さくても無事羽化してくれた方が今後につながって良いなって思ってたくらいですから・・・

    スプーンは虎の子の1本でしたら加工躊躇しますねー
    まあ、私の場合半分以上自己満足の世界ですから・・・・
    でも、スプーン先端の形状の違いは微々たるものだと思いますが、
    グリップは回転させる方向(モーメント?)の力を加える事が容易になり
    細かな操作がやりやすくなりますので、結構感動的でしたよ(笑

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  6. waizuさん
    こんばんは。
    焼き入れの件ですが、改めてご質問頂き、焼き入れの原理等について精査してみたんですが、
    結論としてSUS304には常温で焼き入れは困難などころか、
    下手すると錆びやすくなったりするようです。
    身近なスプーン等の錆びにくいステンレスはほとんどSUS304ですので止めた方が良いです。

    誤った情報を提供してしまい申しわけございませんでした。
    SUS304を焼き入れするには液体窒素くらいの低温で急冷しないといけないようですね。

    私実は魚突きが好きで銛を作ったりしてるんですが、その時の素材は同じステンレスでも
    炭素が多く焼き入れができるSUS440Cという素材を使用しておりまして、その特はバーナーで
    明るいオレンジになるまで熱し、冷水につけるだけで鉄鋼キリで穴が開かなく、実際海でも花崗岩の岩場に突き刺さるくらいの硬度が出ていました。(実際ハガネに匹敵するくらいに上がります。)
    SUS304も炭素入っているので少しは硬度上がるだろうとやってみたんですが、
    どうやら、いつも見る焼き入れ後の青黒い色、あれで硬くなったように錯覚していたんだと思います。

    早速記事の方は加筆修正させて頂きました。
    公に公開するものですから慎重に精査しなければいけませんね。
    ご質問頂いてよかったです。誤情報を広めてしまうところでした。
    どうもありがとうございました。


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  7. こんにちは。
    幼虫のサイズ戻ればいいですね。
    私、前回みてから2週間みていないので、チェックしてみます。
    自分のよりも、ju_tsuさんの新成虫が楽しみです。

    加工はしませんが(できませんが)、HCで便利な道具ないか見に行きたいと思います。

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  8. えんぱるさん
    こんにちは。
    2週間見てないとは忍耐強いです。
    私なんか毎日気になって見てます(笑
    ただあんまり触らない方が良いと思って、キノコは放置してました。
    来期はキノコ生えにくい菌糸にしようかとも考えています。

    私も逆に皆さんの羽化サイズが気になります。
    うちから出た幼虫サイズで連絡頂いたのは、今のところえんぱるさんだけです。
    でかいのが羽化したら、他の方からも報告あるかも知れないので、楽しみです。

    ホームセンター、私も時間があったら良くぶらぶらしてます。
    良い道具発見したら結構嬉しかったりしますよね(笑

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