2014年3月20日木曜日

親子で初ゲット!

最近はめっきり暖かくなり、ブリードルームの温度も急上昇しています。

うちは冬からは常温管理ですので、昇温は季節まかせですが、
近頃は25度くらいまで上がる日があり、オスもそろそろ蛹化準備を始めました。


数頭暴れていますが、大きな幼虫はまだじっとしているようで楽しみです。

手抜き飼育を目指し(?)今期は3本目菌糸の多くをカンタケに変更しましたので、試験的に
床下の寒い環境と、玄関のやや寒い環境にも置いてキノコの生え具合を比べてみました。

左:床下                        右:玄関

左が床下(9度~12度くらい)で、右が玄関(11度~16度くらい)です。

結果、寒かった床下は意外にもあまり生えていませんでした。

やはり玄関に比べ、温度変化が緩やかだったのが原因でしょうかね?

ちなみに最低で15度くらいのブリードルームは暖かいので全く生えません。
むしろ暖か過ぎなのか少し劣化しているようにも見え、ヒラタケよりカビが多かったです。

ヒラタケはブリードルームでもキノコの発生がありましたが、
量はわずかでブリードに影響しない程度でした。
カビもほとんど発生せず、菌糸の状態から判断すると、我が家の3本目はヒラタケの方が勝っていたように感じました。

後は羽化結果がどうなるかですが、これは個体差もあるので比較は難しいでしょうか・・・






実は、前回紹介していませんでしたが、先週採集したオオクワガタの蛹室を持ち帰ってきました。
もともと蛹室の標本は狙っており、良い状態であれば持ち帰りたいと思っていたのですが、
オオクワ採集で大変有名な“どんぐりさん”のブログで、食痕を持ち帰る試みをされているのを知り、
これだ!と思ってしまいました。

食痕付きの発想は全くなかったので、すばらしいと感心する限りです。
それ以降、すっかり食痕付きに憧れるようになっていたところに先日の幸運です。
何とか持ち帰られるような状態でしたので、2頭分贅沢に頂いちゃいました・・・(笑い

こちらの食痕は表面からは見えません
こちらはかなりの大型標本です。


早速どんぐりさんにメールで食痕付き蛹室の標本作製方法について相談したところ、
快くアドバイスをいただいたので、それを参考に今後じっくり乾燥させチャレンジする予定です。

私にとっては滅多に無いサンプルですので、採集時のままとはいきませんが、少しでも雰囲気が分かる標本にしたいですね。


自分が入っていた蛹室に入れて記念撮影!





また、先日の日曜日はかなり前から息子と約束していましたので、2人で採集に出かけてきました。

先週程の幸運はありませんでしたが、それでも記念すべき採集行になりましたので、
2週連続で大変恐縮ですが、少しご紹介したいと思います。



3月16日、その日は朝から天候も良く絶好の山歩き日和でした。

息子の部活が休みでしたので、かなり前から約束していた日でもあります。

今まで親子での採集は3度ありますが、残しておいた幼虫を割り出したのは別として、
一度も採集に成功した事がありません。

ですので、何とか成功させたいと思い、未知の薄そうな地域では無く、
以前からこの日のために用意しておいた可能性の高そうなエリアを2箇所ほど選びました。
ついでに息子の足腰の鍛錬にも適した広大なポイントです。



まず最初のポイントは、竹藪とドングリの木が混じった良さそうな環境が長く続くような場所でしたが、B級の朽ち木はあるものの、収穫はありませんでした。

当初午前のみの予定でしたが、変更し昼は中華そばで有名な谷岡食堂で腹ごしらえして、午後のポイントに移動です。


こちらは標高差がある厳しいポイントでしたが、気温も上がり、心地よい風が春のにおいを運んでくれ気分を盛り上げます。

広いので途中位置を見失い、修正のため最も厄介な“細くて古い竹林”の藪こぎを余儀なくされました。

たいがいの場所は文句を言わずついてくる息子も、

とうさん、これは無理やろ??

と言うぐらい、きついルートです。

しばらく辛抱すると、ようやく、このポイントで最も期待していた尾根にたどり着きました。

そこは狭いながらも、地図で予想の通り良い雰囲気の混合林で、空間もあります。

注意深く観察すると、斜面になかなか良さそうなエノキ倒木がありました。


“おおー!”




軽く声が出たところで、早速リュックを下ろしてチェックです!

良さそうな根元の方は息子に任せ、私は先端側からチェックしていきます。

でも、先端はまだ早いようなのですぐ見切って、息子のチェックを見ると、
残念、こちらも朽ち方があまり良くない感じでした。

表面グズグズ、中やや固め・・・

息子も“駄目かも・・・”

と言いながら材と戦っていました。

確かにやや固めの部分も期待薄の感じです・・・

中が良い場合もあるので、そのまま見守りますが、息子の力では厳しそうです。

“よし、ちょっと替わってやるわ”と声を掛け、

ガーバーで一撃してやると、

大きく割れた材から、ムカデゴキブリらしいのが現れました!



おお!びっくりした!






ムカデは素早くお帰りになりましたが、

ひっくり返ったゴキブリを息子が確認すると、







“あれ?クワガタのメスや!”




私  “ほんまか?”

それは確かにクワガタのように見え、一瞬にして緊張感に包まれます・・・


そのうちメスはゆっくり体勢を変え始めたので、


二人して“オオクワでありますように・・・”




と祈りながら見守りました。





やがて・・・・
















このように体の横から羽の筋が確認されたところで、

やったー!

オオクワや!

二人での記念すべき初採集の瞬間です!

思わずハイタッチを交わし、写真撮影です。


よく見ると、折れた木の根元からわずかに続く太い食痕だけで、蛹室はありません。

越冬虫???

でも虫自体はピカピカなので、秋ぐらいに蛹室から出てまたすぐ冬眠に入った個体ではないでしょうか?
オオクワの越冬虫に遭遇したのは初体験だったので、越冬位置など大変興味深かったです。

その後、別の材からも大型3令を出して、2人共心地良い疲れで下山しました。




帰ってメスのサイズを測定すると38mmとワイルドでは平均的なサイズでしょうか・・・

3令幼虫は頭幅10.8mmと平凡でしたが、体重は驚きの20g!


午前だけで帰らず良かったです・・・・(笑

でも、待望の初ゲットにもかかわらず、息子はそんなにうれしそうではないんですよね??

私だけはしゃいでいるようです・・・・・トホホ

                 おわり

2014年3月12日水曜日

オオクワ採集 ~突然訪れた “シビれる瞬間”~

近頃は休みもなかなか取れず、ブリード準備も遅れがちでしたが、
先日やっと種親候補をブリードルームに移動しました。

幸い、冷蔵庫組、床下組共★になること無く元気そうなのでホッとしています。
香川産、能勢産共ある程度ラインを絞り込んだため、香川産はワイルド羽化の2ペアと
能勢産は早期羽化♀が余品となりました。
少し高いと思いますが、販売のページを作りましたので、興味がある方は覗いてください。


ブリードの方は、数頭暴れてますが、ほとんど変化はありません。

自己採集分で、昨シーズンすべて採らずに山に残しておいた幼虫がいたんですが、
秋に様子を見に行ったところ、あまりに材がびしょびしょなため連れて帰ってきた個体が居ました。

頭幅 9.4mm 体重 6.0g てっきりメスと思っていましたが、掘り出してみると・・・・



2013年10月27日採集、2月上旬羽化 体長60mm



ハハ、なんとかわいいオスでした。(笑

こんなに小さいと美肌でかっこいいですね。

この個体は、最初決めた通り暖かくなったらもとの場所へリリースしてきます。




採集の方も1月に行ったきりでしたが、
先日、クワガタに興味をお持ちの “Sさん” からブログの前記事コメント欄で誘われ、
日曜日に久しぶりに行ってきました。


本当はその日、消費税が上がることもあり、妻から大型家具の購入に付き合うよう
言われていましたが、午前中だけという条件で何とか許可をもらいました。




3月9日(日曜日)

朝8時に待ち合わせ場所に着くと、Sさんはすでに待っておられ、
お互い簡単に挨拶を交わすと、早速私の車であらかじめ調べたポイントへ向かいました。

Sさんの印象は、なかなか立派なお仕事をされているだけあり、
私と違い几帳面で誠実そうな感じに見受けられました。
子供がきっかけでこの趣味に入ったところは同じです。(笑

あらかじめ詳しく調べておいたので、迷う事無く1ポイント目に到着し、準備にかかります。

初めて入る場所は最初のアプローチ場所で“まごつく”のですが、比較的スムーズに入る事ができ、
内心ほっとしながら登って行くと、竹藪を過ぎた先に良さそうな場所がありました。
幸い採集者も入っていないようで、歩きやすく、なかなかの林です。


Sさんは、前日初めて採集を経験したばかりのようでしたので、
2人で一緒に朽ち木チェックをして行く事にしました。

そこそこ材はありましたが、A級の朽ち木は転がっておらず、B級以下ばかりです・・・・

それでもカブトの幼虫や、コクワの成虫が出たので、お子さんのお土産にはなったようで、
私も一安心です。

しばらく行くと雰囲気の良いエリアも終わったので、ここはある程度で見切りを付け、
次のポイントに向かう事にしました。



そこは、地図から結構ハードな場所である事が分かりましたが、
Sさんは “大丈夫です” と心強い回答でうれしい限りです。

到着した場所は、予想通りきつい場所でしたが、驚いた事に、
こんな場所まで採集者の形跡がありました。

せっかくたどり着いたにもかかわらず、採集者の跡があると少し凹みますが、
よく見ると、先行者の割跡の中にきれいな朽ち木が転がっていました。
私の中では“A級の朽ち木”です。

虫は入っていなくとも、香川でこのような材は、1日歩いて当たるか否かといった具合だと
思いますので、そんな朽ち木をSさんに見て戴けただけでも良しとして、
さらに探索範囲を広げチェックしていきます。


全体の雰囲気は特別良くもありませんが、樹液木は沢山あり、
まずまずの雰囲気を持つ急峻な林です。



期待薄のまま少し進むと斜面のかなり下に、まっすぐな電柱クヌギの倒木が見えました。
遠目にちょっと早そうなのでスルーしようと思いましたが、
“こんな時は、先行者と違う選択を狙ってみるもの” と降りてみる事にしました。


実は、この判断がこの日採集の分かれ道となります・・・・・


その木は幸い先行者の形跡はありません。
B級材なので写真は撮っていませんが、根元の方がまずまずの朽ち方だったので、Sさんに叩いてもらい、
私は暇つぶしにイマイチな中間部分を探ってみることにしました。

中間部分は芯が大きく、表面近くに少し朽ちている部分があるものの、全く駄目な感じです。

が、何発か叩くと、水分で変色していますがやや太めの食痕が出てきました。



“おお?”

スカスカで糞もありコクワっぽいので構わず斧を入れると、すぐに少し大きな幼虫が見えました!




大型コクワであっても楽しめそうなので、Sさんに声をかけ、見てもらいながら取り出すと・・・・



あれ?? 案外大きい???

頭幅10.7mm    体重9.2g



頭を見ると、何と  オオクワじゃないですか!

いやーこんな変な場所に入っているとは思いませんでした。

今までで一番くらい悪い場所に入っていた個体です。

分からないですねー

幼虫と、上は根元付近を削るSさん



これで一気にテンションアップし、ペアにするメスを探しましたが、

残念・・・追加はありませんでした。



更に斜面をトラバースしながら進むと、朽ち具合の良さそうな倒木が多いエリアに入りました。


何だか良い朽ち木がある場所は、周辺にも良材がある場合が多いような気がします。
逆に植生が良い林でも、朽ち方が良くない材ばかりの時もあります。
はっきりとは分かりませんが、湿度や風、日当たり等の他にも、木が育った条件なども関係するのかもしれませんね。


さて、そのエリアですが、真新しい先行者の形跡もありますが材は点在していますので、
メスが好みそうな木を選び一番大きな倒木の根元付近をチェックすると、

幸先良く、いきなり太めの食痕が出ました!



大きなコクワか、さっきの事もあるので、もしかしたらメスのオオクワかな??

など考えながら二人でドキドキしながら取り出すと・・・・


 
 



結果は・・・あらら残念、普通のコクワでした(泣





周辺にも倒木が点在しているため、ここでしばし分かれての探索とし、
私は更に麓の方へ降りてみる事に・・・・


そこは香川の典型的オオクワ環境の中に、朽ち木がちらほら見えるような場所です。

で、その中でも直径50cm程の古い倒木が一際目立っていました。


根本付近はイノシシが幼虫を漁った跡があり、太めの食痕もむき出しになっています!


どうでしょう?これは間違いなく“A級の朽ち木”でしょう!



A級なので材を撮影後、すぐ脇に新調したリュックを下ろし、心を落ち着かせます・・・・・


この時が最もワクワクする瞬間ですかねー


早速根本付近をそっと削ると、

1発目から荒々しい食痕が出ました!



でも良材の食痕はコクワでも大きいので、油断せず無理に心を落ち着かせ、慎重に進めていくと、

みるみる太くなっていきます!



よっし!

“さすがにこれはオオクワに間違いなかろう!”

確信した時、今度は最高に幸せな気分に満たされます。




しばし満喫した後、“楽しみは後に取っておこうかな”と他の部位も探ってみると、
イノシシの襲撃から逃れたカブちゃんが数頭出てきました。



本能的に敵(イノシシ)から逃れようとした結果なんでしょうか?
なんと、白枯れ部分にまで食い込んでいました。


カブちゃんを2頭だけキープし、少し先端側の朽ち具合を探るため、
樹皮に1・2発斧を入れた時です。



おっと!







突然朽ち木上部に大きめの穴が空きました。

穴はホントいつもドキッとしますよねー

過去何度も材の中が腐り、穴が現れる事があったので、

又、中が腐ってるのかな・・・・?









と一瞬思いましたが、











・・・・・んん?






すぐにこんなものが目に入り、






一瞬頭の中を電気が走りました!


そう、突然現れた、最高に“シビれる瞬間”です。


“おー やったー!”

闇から覗く二股の鋭いアゴ!

そこには、蛹室の中でひっくり返った大歯がいました(笑


ポーズを整え記念撮影


念願のオス成虫の割り出しです。




少し腹に赤みが残っていましたので、若干縮むかもしれませんが、
大歯型の67mm!材が良かっただけに、なかなか良いサイズですね。






ここで、Sさんを呼び確認してもらった後、2人で同じ材を削る事に・・・

私は、最初の食痕に戻り、追っていきますと、益々太く立派になっていきます!




“これはオスの可能性が高いかなあ・・・”

帰りの時間が迫っていたので、焦りながらも長い食痕を追っていくと、

そのうち食痕が細かくなり、虫に近づいている感じがしてきました。





珍しく倒木の底(地面側)に向かっています。

通常倒木の底(地面側)は水分が多く古い場合は良くないのですが、
この材はわずかに宙に浮いていましたので、材環境が良かったのでしょう。




やがて樹皮付近で小さな穴が開き、

古い食痕カスのようなものが出てきました。



“あらら?”

中は真っ暗で分かりません・・・・




“もう出た後かな?”
それとも“死んでるのかな?”




どうも中に入ってる気配が無いんです・・・






指で少し穴を広げ様子を伺うと、



やがて“ポトッ”




天井から虫が落ちる気配が有り、大アゴが見えました!

“居た!”

またもオス成虫です。

サイズも66mmとこれもなかなか立派なサイズです!




その後すぐ同じ木の先端側でも、Sさんがメスを割り出しました!

これも44mmとグッドサイズ!


2人とも興奮して写真撮影です(笑

ただ、その時点で時間は昼を過ぎ、
あっという間に予定時間となってしまったのでここで切り上げ下山しました。


短時間にもかかわらず充実した採集となり、本当にいつも山の神様に感謝するばかりです。
最初の電柱クヌギをチェックしに下りた事が好結果につながったようです。

欲を言えば、長く太い食痕を追いかけ出した2頭目66mmの方を最初に割り出したかったな・・・
などと少し贅沢な事を考えてしまいました。(笑



Sさんはやり始めるとのめり込むタイプとのことで、これでおそらくクワガタにはまる事は
間違いありません!

なので、ブリードもがんばってもらうべくオス1頭託し、累代をお願いしました(笑

ごめんなさいね。でもよろしくお願いします。

以上