2022年11月13日日曜日

仁淀ブルー「水晶淵」そのブルーの秘密

先週末は四国へ帰り、紅葉ドライブに行ってきました。
少しまだ早かったようですが、個人的にはこの位の色合いが好きです。

安居渓谷の紅葉


瀬戸川渓谷の紅葉



仁淀ブルーで有名な高知県「安居渓谷」にも寄ってきましたが、
この時期でもブルーは健在でした。

安居渓谷



一般的に雨量が少なくなるこの時期からは、
透明度は上がるものの、川底のコケや沈殿物、落葉などで
茶色っぽく映り、見栄えは悪くなります。
それでもこれだけの色を演出してくれる安居渓谷は、
他とどこが違うのでしょうか?


今回はそのブルーの秘密に迫ってみたいと思います。

ブルーを演出している大きな要因は、水の綺麗さはもちろんですが、
やはり川底の青っぽい「変成岩」の影響ではと考えました。
そうであれば、わざわざここまで来なくとも、
「同じように変成岩帯に流れる川であれば、
川底の石の効果で同じようにきれいに見えるのでは?」
と、昨年吉野川水系の川を見に行きました。↓



吉野川水系の川

こちらは同じように変成岩の川ですが、青っぽいのばかりで無く、
白や銀色のも入り、よりきれいに見えそうです!

実際見た時の感想も、
「やっぱり思ったとおり!わざわざ行く必要なし!」でした。

変成岩帯にある川の上流部であれば、十分「ブルー」が
満喫できると思ったのです。


   この淵↑なんかは最高に良い雰囲気で、水遊びに最適ですね。(吉野川水系の川)

ただ、川底の石を見るとコケに覆われ、石の演色効果はそれほどでも無いのか??
と帰り際、少し疑問が沸いてきました。
せっかくここまで来たのなら、同じ条件のこの日に本物の「仁淀ブルー」まで
行き、比較してみるのが一番確実では?と、
急遽、安居渓谷「水晶淵」まで足を延ばしたのです。




さて、行ってみると・・・・
本物はやはりすごかったです!

川底はコケや沈殿物が極端に少なく、透明度も全く違っていました!

水晶淵


水晶という名のとおり、川面から見ても違いが明確に分かります。

同じ日なので条件はほぼ同じはずなのに、この透明度の差は何か?


このように他の川とは全く異なり、川底がとても綺麗です。
コケがないので鮎は生きていけないですね(笑


上流まで足を伸ばしましたら、やっと謎が解けました。
これですね。↓


「砂防ダム!」

そう、すぐ上にはたっぷり土砂を蓄えた砂防ダムが2つ!
さらにグーグルマップで確認すると、その上にいくつも連なり、
なんと全部で10箇所以上!

砂防ダムは土砂が堆積しており、ダムの上は水がありません。
土砂の中に水流があるのです。
10箇所以上の砂防ダムの土砂の中を水が通り、濾過されるため
透明度が上がるのでしょう。

この砂防ダム群を抜け、放水口から湧水のように濾過された水が
川となって流れ出し、最初の深い淵がここ「水晶淵」なのです。

透明度が高いクリアな水ゆえに、川底にコケや沈殿物が少ない。
更に深すぎない「適度な水深」のおかげで、
川底の青石」が光を反射し演色効果を最大限に発揮して
この「仁淀ブルー」を演出しているという訳です。

実はこの砂防ダム下の淵が最もえげつない色をしています。
水晶淵で引き返さず、ここまで足を伸ばしてください。


上の写真は夏のものですが、先日11月でも川底はここまで↓綺麗でブルーです。

砂防ダム下の淵


当初「こんなに綺麗なブルーなのにダムなんて作って台無しやなあ・・」
と思っていたのですが、このクリアな水の立役者だったとは・・・


ですので、同じく仁淀ブルーの代名詞として有名な「にこ淵」より、
透明度という点では明らかにこちらが勝っています。

にこ淵の場合は、少し水量が減ったタイミングであれば透明度も上がってきますが、
コンディションの良い日は少ない上、川石もコケが生えて演色効果はイマイチです。
澄んだブルーを見たい方は、断然「水晶淵と砂防ダム」こちらをお勧めします。

ベストシーズンは、7月から10月頃だと思います。
冬場は水量が少なかったり、落ち葉が底に溜まるのであまりきれいに見えません。
ある程度の雨が降り、川底がきれいに掃除され水が落ち着いた時がベストです。

近くにお出かけの際は、ぜひ「安居渓谷」まで足を伸ばしてみて下さい。




オオクワの方は2本目への交換が終わり、やっと落ち着きました。
新ブリードルームの初年度ということもあり、エアコンのコントロールが上手にできず、
1本目から躓いてしまいました。

極端に温度差が生じてしまい、ひどいのはキノコが生えたり、劣化も全体的に早く
まだ若く小さい割に黄色くなってる幼虫が多い印象です。
最近やっと「マスカー」で風向きをコントロールし、安定し始めました。

又、採卵、投入時期と引っ越しが重なったため、多くは菌糸カップに入れたのですが、
蓋の穴が少なかったのか酸欠にになったようで、成長不良っぽい個体も多いです。

毎年こんな失敗ばかり書いてるようで、読んでてつまらないと思いますが、
皆さんも同じ過ちを犯さぬようご注意下さい。

来期の補強も行い、早くも来期の構想に入っております。

MUGENさんから



嶋原さんから


来年こそは失敗せず、満足できるブリードを達成したいと思います。


また、今年羽化個体の販売は、むしオークションに随時出品しておりますので、
よろしかったらご検討ください。


それでは今回はここまでです。ありがとうございました。


2022年9月25日日曜日

2021シーズン羽化結果

 この連休は、休みをもらい香川に帰っております。

あっという間に涼しくなり、買い物途中の畦で彼岸花がチラホラ・・・

群生地の斜面まで足を伸ばすと、ちょうど満開になっていました。




さて、羽化個体の整理が遅れていたオオクワの方ですが、

先日、妻に頼んで香川から運んでもらい、大阪で管理が出来るようになりました。

そうなった途端、今度はトラブル対応で愛知県岡崎市へ応援異動となり、

相変わらずドタバタやっております。


管理表も更新していますが、やはり1本目のミスで極端に小さい個体が大量に羽化しました。

大きな種親を使った割に80mm未満連発で、ちょっと恥ずかしい結果になっています。

また、単身赴任のため、羽化時期に暴れた個体は放置となった結果、不全も多くなりました。



そんな訳で、一握りの大きな個体のみ撮影しましたので、ご紹介したいと思います。

トップバッターは2118ラインから 89.1mm



父親は嶋原氏の89.8mm(90.8mm同腹)、

母親は体重の乗りが良かった2014ライン早期54.1mmです。

最終34.1gという軽い体重からの羽化が示すように細身のボディですが、

立派な顎でサイズを稼いでいます。

大変綺麗な個体なので、種親にする予定です。





続いて2120ラインから 89.2mm

頭をあまり上げてくれない個体ですが、水平にして最大値で計測しています。



このラインの父親89.9mmは、SR血統種元嶋原氏の準ギネス同腹インライン配合であり、

うちで大当たりした2016年SG1ラインの配合100%です。

(SG1×SG1の早期メスにSG1の♂90mmを交配した濃いライン)

期待の♂を使ったラインだったので沢山の幼虫を採り、体重も乗っていましたが、

大きな幼虫を数頭セミにしてしまったり、暴れ放置の不全などでもったいないことを

してしまいました。

本来は実力のあるラインではと考え、早期♀を今年沢山使用しています。



次に2102ラインから 89.6mm




このラインの父親89.6mmは2シーズン目で、昨年の91.6mmの父親でもあります。

顎はあまり長くなく、先端の曲がりが大きい個体ですので、一般的には

あまり好まれない形状だと思いますが、一応種親予備として残す予定です。




次に2107ラインから 90.0mm





このラインの父親も89.6mm、

2シーズン目で、昨年の91.6mmの父親でもあります。

顎が左右で少しアンバランスで、上翅にややシワがあります。

こちらも一応種親予備として残す予定です。



最後に今年最大個体

2019ラインから 91.7mm






最終44.1gから羽化してくれました!

父親は、先程ご紹介した準ギネス系SG1インラインの1902の89.9mmです。

形状もこの♂そっくりで、そのまま大きくしたような形状です。

顎は短めですが、スラッと直線的で、

ディンプルも無く綺麗な個体、荒々しい性格までそっくりです。

母親は、成績が良かった2015の早期53.1mmを使用しています。

来期のエースとして期待大です!



今年は、皆さん羽化成績が好調の様子で、販売した個体から超大型♂羽化のご報告を

沢山頂きました。

少ない飼育数で大型を数多く出される方もおられ、

お話を聞くと管理方法や設備など、それなりの努力と設備投資をされているようでした。

血統に関しては、配合を詳細に研究されている方も何名かいらっしゃいますので、

私自身も大変参考になります。

引き続きよろしくお願いします。



余品はお問い合わせいただければ直販できますので、メールフォームよりお問い合わせください。






2022年7月6日水曜日

今度は大阪へ転勤になりました。

だいぶ投稿間隔が空いてしまいましたが、やっと落ち着いたので近況報告です。
実は、2月に会社から内示が有り、急遽大阪転勤が決まりました。 
松山の工事竣工でバタバタの中、業務引き継ぎを終わらせ、部屋探しから
引っ越しとなかなかハードでした。

趣味のオオクワもペアリングから 採卵菌糸詰めなど、
こちらも忙しさピークでしたので、本当に一杯一杯・・・・・

ブリードはどうするか悩んだ結果、
大阪にも簡易的にブリードスペースを設け、昨年の幼虫は高松で、
2022シーズン幼虫から大阪で飼育することにしました。

大阪の飼育スペースは賃貸なので、できるだけ内装を痛めないようにと、
壁はルミナスラックの支柱を天井に突っ張り、結束線で桟木を結び、
スタイロフォームをビス固定しています。↓




出入り口は、開き戸にすると強度も必要ですし高価なので、
当初は「カーテンでいいや」と考えていました。

いざ作り始めると、壁が予想外にうまく収まったため、せっかくなら断熱性重視し
いつも作っている「温室の蓋」の要領でやってみることにしました。

スタイロ板を加工し、はめ込み式にしてあります。
下から差し込む感じで閉めると、上端が引っかかるような形状にしていますので、
倒れることはありませんし、気密性も良好です。


下から差し込み扉上端の凸部を引っかけるにして閉めます。
サイドもつば付きにして嵌まり込まないようになっています。



簡単で効果的な開口部だと思いますので、同様な開口部を検討中でしたら
参考にしてみてください。

賃貸住宅なので、隣に住戸があるためか案外室温は安定しており、
高松のブリードルームよりエアコンの起動頻度が少ないようです。
まあ、あっちは木造住宅で西日がモロに当たる外壁側に作りましたので、
もともと厳しい条件ではありますが・・・

今まで菌糸の劣化が早かったので、最近は4本で羽化させていましたが、
大阪では3本でも大丈夫かも知れません。



肝心の飼育状況ですが、2021シーズンの幼虫は1本目の酸欠が響いて
小さな個体が多く、アベレージはだいぶ低くなっています。(管理表参照)

ただし、酸欠の影響を受けなかった個体の中には、大型の幼虫もいますので、
その中から大きいのを期待しています。
今年は蛹化促進温度をMAX25℃にしましたので、幸いにも暴れが少なく、
羽化ボトルの環境は良好のようです。

先週末帰った際に確認すると、メスは大部分羽化しており、オスも早いのは
羽化が始まっていました。

40gUPの幼虫も2頭ほど羽化してましたので、測定が楽しみです。
大型オスの羽化は、7月初旬がピークになりそうな感じでした。

7月の連休にはまた帰りますので、羽化傾向はだいたい分かると思います。



一方、2022シーズンの幼虫採りですが・・・・

こちらなかなか苦戦しておりまして、もういい加減に諦めました(笑

まず、89.5mm(2015)の種がダメなようで、全く掛かりませんでした。

期待の91.6mm(2006)も、欲張って数多く掛けたため、同居日数が少なくなり、
産卵数が少ないような感じがします。
1泊2日で終わらせたメスもいましたので、種が切れるんでしょうね。
途中から無精卵に変わってしまう個体が多かったです。

又、産卵セット中に引っ越しがあったため、引っ越し後に休眠してしまい、
産まなくなったメスも続出です・・・

補強したメスや有望ラインの早期メスからはほとんど取れず、
史上最悪の採卵シーズンとなりました。

サブ的なメスからも採卵し数合わせを試みましたが、思い通りに行かず、
全体的にはかなり少ない数でのスタートです。

幼虫余品のお問合せも何件かいただきましたが、ご期待に添えず
申し訳ございませんでした。

まあ、仕事も忙しいので、ちょうど良かったのかもと自分に言い聞かせております。





最後に、ブリードには全く関係ありませんが、ご紹介させていただきます。

高知に帰省道中にある徳島県阿南市の喫茶店、
こだわりの外観がなかなか「映える」ので撮影してきました。

オーナーのセルフビルドだそうで、裏に工房があり、まだ増築中のようでした。


「大菩薩峠」という店名です。 看板はほとんどありませんが・・・




レンガに伝う蔦が雰囲気抜群ですね。

思った以上に奥行きがあり、規模も大きかったです。









すでにそう呼ばれているかもしれませんが、
徳島の「サグラダ・ファミリア」ですね(笑
今後も注目しておきます。

今回は食べなかったですが、後で調べると
メニューはハンバーグが美味しいらしいです。


それでは今回はこれで失礼します。




2022年1月4日火曜日

阿佐海岸鉄道 DMV

 あけましておめでとうございます!

昨年はブログもあまり更新出来ずに終わってしまいましたが、

今年はもう少しだけ頑張ってみたいと思います。


年末年始は高知の実家に帰省し、DMV(デュアルモードビークル)なる

乗り物に乗ってきました。

DMVとは、鉄道と道路の両方を走ることが出来る車両で、詳しくは

阿佐海岸鉄道 DMVとは をご覧下さい。

DMV車両


こちら、営業運行は世界初とのことで、こんな田舎で??と驚きましたが、

乗り換える必要が無いので便利ですし、確かに田舎では効率的だと納得しました。

ただ、あまりにも人口が少ないエリアですし、コロナも長引きそうなので、

営業が成り立つかちょっと心配ですが・・・


乗り心地は道路では、バスそのものですし、

鉄道では、のんびり走るディーゼル列車で、違和感はありません。

モードチェンジは、乗ったまま数十秒で切り替わりますので、

時間ロスもほとんど発生しません。


鉄道に入る手前 モードチェンジ中


鉄道に入る前のチェンジは、「モードチェンジ スタート」のアナウンス後、

太鼓の音楽が流れ、前輪側が持ち上がります。

レールのガイドになる車輪が出てきて誘導用線路に乗ったのだと思います。

完了すると「フィニッシュ!」の音声が流れ、車内に歓声が起こりました。(笑


車内は↓こんな感じで、ワンマンバスそのものです。

鉄道走行中

道路走行中



後部に鉄道走行用の鉄車輪が見えます。
なんと! トヨタマークが付いていました!!


運行ルートを見ると、地域の基幹病院への足として活躍しそうですね。

乗り物好きのお子様などは喜びそうですので、近くに出掛ける際は、

是非試乗してみて下さい。



さて、2021シーズンのオオクワブリードですが、

ちょっと「やらかした」感が漂っています・・・・

調子に乗って1本目少し固く詰めすぎたようで、成長不良が多く出ています。

すでにオスは3本目投入していますが、30g未満のが沢山出ました。

昨年ほどではありませんが、うちは少し高めの管理温度ですので、

もう成長終わっていると思います。


何年か前にも同様の失敗していますので、ほんと学習していませんねー

少し緩めのは正常に成長していますので、それらの中から

良いのが出てくれることを祈って、モチベーションを保つことにします。


そんな調子ですから、ついつい管理表を作成する手も進んでおりません・・・

何とか、今月中には更新したいと思います。


種虫の補強も出遅れていましたが、

先輩ブリーダー様から良い♀も融通して頂きました。



来シーズンこそ、失敗しない管理ができるようイメージ出来ておりますので、

頑張りたいと思います。

(毎年そう思ってますが、どっかでやらかすんですよね・・・)




最後におまけで、元旦に行った高知城のプロジェクションマッピングを貼っておきます。








以前は「チームラボ」のプロデュースでしたが、今回は「ネイキッドフラワーズ」です。

チームラボほど派手ではありませんが、工夫された演出が多く、今回の方が楽しめました。

期間が1月10日までと残り少ないですが、入場料も高くないのでお勧めです。