2015年2月10日火曜日

“オオクワマンション?”  採集記です・・・


ちょっと前になりますが、今回は採集の話です。
                   ・・・興味ない方はスルーしてください・・・

幼虫の世話が落ち着いたのと、先日の今季初採集により、
すっかり “採集モード” になってしまった私は・・・・
                     のこのこと、翌週も行ってしまいました・・・


1月24日(土)

その日は、午前中仕事が入りましたので、終わらせた後に、そのまま直行です!
やる気モードになってましたので、昼食はコンビニのサンドイッチと牛乳にして時間を節約・・

選んだ場所は、割と広いクヌギの林で、高低差もあり、たっぷり探索を楽しめるような場所でした。
香川の山は浅く、こういった未踏の広いエリアは私にとって貴重です!

なので、入る前からワクワクです・・・

いつもながら、入る場所には少し手間取りましたが、山に入ると植生の具合も良く、
どこにオオクワが居ても不思議ではありません!

予想通りドキドキ・ワクワクしながら歩く事が出来ました。

およそ3時間程度探したでしょうか・・・


    

良い林ででしたが・・・・

んんー残念、 良い朽木は見つからず・・・です(笑



でも、天候も良かったので、この日も十分採集を満喫し山を下りました。

           ・・・近頃は、やる気になっていても3時間も歩けば十分満足します(笑



で、帰るつもりで車に乗りましたが、

若干中途半端な時間です・・・

少し悩んだ後、まだ1時間程度は遊べそうなので、

“ちょっとあそこに寄ってみるか!?”

以前、気になっていたポイントの中で、時間のかからなそうな狭いポイントを選び、寄ってみる事にしました。
            ・・・・・・この選択が、ラッキーにつながります。



入れそうな付近に車を停め、谷から入ると、
すぐにエノキの倒木がありました!

まあ、藪の中なので期待してませんでしたが・・・・


その通りです。   
やはり・・・・何も居ませんでした(笑

ただ・・・
なかなか良い具合に朽ちています!


まだキャリアが浅いため、はっきり分かりませんが、良い具合に朽ちてる木がある場所は、
周辺にも同じように良い朽木がある場合が多く、オオクワもそれなりに生息しています。

これは、単に人が入ってないだけなのか、その場所の環境がキノコ菌に向いているのか、
それとも、木が倒れた時期によるのか分かりません。

同じような植生でも、オオクワがいないと思われるエリアは、良い具合に朽ちている木は、
本当に希です。



この朽木を見て、ちょっと期待しながら急斜面を登ると、
正面の尾根付近に大きな倒木が見えました。

んん?なんだか遠目にも良さそうに見えます!

興奮して近づくと、これまでに見た事も無いくらいの良材ではないですか!

思わず、

“おおー!”

と声が出てしまいました。

根元側から

中央付近で折れています。
折れた先端側 粗い食痕が出ています。

早速リュックを下ろし、材を良く眺めましたが・・・・

やはりどの部分も怪しく、初級者の私が見てもすぐ分かるほどの良材です!

手をつける前に、こんな写真を撮影したのは初めてです(笑

山で朽ち木の撮影をする“オッサン”・・・・
傍から見たら、怪しいしょうねぇ(笑




しばし観察した後、まず、イノシシの物色跡がある根元付近をチェックします。

すると・・・

すぐ怪しい2令幼虫が数頭出てきました!



コクワではなさそうなので、とりあえずキープします。
相変わらず、同定には自信がありません・・・・


この木で最も美味しそうな部分を探る前に、しばし小休止・・・

そう、せっかくなので時間を気にせず、ゆっくり楽しみます。


ちょっと浮気して、根元の反対側に回り観察すると、
そこは、見た目もう遅い感じで、イマイチっぽい感じがしました。

こっちはとっとと終わらせてしまおうと、斧を一撃!

すると、案外サクサクの白枯部分に、小さな蛹室のような穴が空きました!


“ありゃ?ノコでも入っていたかな??”




写真中央付近の穴です。


最初、虫は見えませんでしたが、指をいれるとまだ虫は入ってるようですね・・・

大きさから、ノコかヒラタかオオクワか・・・・?




顎を引っ張って見えるところまで出してみると・・・・・








・・・やりました!

オオクワ 大歯型です!






約60mm 若干赤みが残ってますので、もう少し縮むでしょうね。



いやー、やはり素晴しい材です!




最初に削った側へ移り、美味しい部分に手を付けると、
すぐにそれと分かる極太の食痕が現れました。



“さっきの個体の食痕かな?”

と思いましたが、まだ新しい感じもします。

“大きな幼虫でも残ってるのかなあ??”

そう考えながら、慎重に削っていくと、食痕はどんどん長くなり・・・・




やがて大きめの穴が開きました!










覗くと、鋭い顎が覗いてます!

幼虫でなく、またまたオスの大歯!







サイズはさ、っきより若干大きく、63mm程度でしょうか・・・

この個体も少し赤みが残っており、
特徴的なのは、羽に縦の筋がクッキリしてる事です!

なかなか個性的なオスですね。

さて、ゆっくり楽しんでいると、そろそろ帰りの時刻となってしまいました。

まだ探りどころ満載の朽木・・・・

メスも出していないので、翌日出直しすることに決め下山しました。









1月25日

翌日、本当はボトル洗いの予定だったのですが、こうなったら当然延期です(笑

朝から出掛け、同じ谷に入りましたが、
冷静に観察すると、昨日と反対側の斜面にも良い林があります。

このあたりは朽ち方も良さそうなので、
この日は遠回りして、向かい側の斜面から歩く事にしました。

やはり、こちらもなかなかの雰囲気です。

斜面を急登し、尾根にさしかかる手前にこんなに朽ちた切り株がありました!

正面の丸いくぼみは蛹室の様です。




少し削れたように見えますが、例によってイノシシが漁った痕です。

よく見ると、蛹室のようなくぼみがむき出しになっていますね・・・・・

どうやら、この辺りはクワガタが多いようです。

もう遅い材のようですが、残り物はないかと、僅かに残っている“サクサク部分”に斧を滑らしたところ・・・・
中央右側の小さな穴に・・・・・


怪しい2令幼虫3頭が出た後、狭いスペースに大きな黒虫の腹が現れました!



“ワオ”

一瞬“オオゴキブリ”と思い

“貴様ー!びっくりさせんな!”

と思いましたが・・・


顎があります!



んん???



そう、雌の何かしらクワガタのようですが????




このサイズはもうオオクワ以外あり得ないでしょう・・・!!

確信して取り出すと、




44.5mmもある大きなメスのオオクワでした。
この個体は、背中に香川GT血統のような窪みがあり、個性的ですね!

この材、他には虫が入るスペースも無さそうなので、
このあとは、尾根伝いに昨日の場所に移動しました。






時間もたっぷりあるので、記念写真を撮りながら
のんびり続きを楽しみます。


早速、2頭目が出た付近から・・・






なんと、またまたオスです・・・・


日光で光ってますが、実際は渋いつや消し個体です。


これが最も大きく約65mm、2頭目とは対照的に羽まで艶が無く、全身つや消しの渋い個体です。
おそらく同腹なのでしょうが、こんなに違う特徴を持って羽化するとは不思議ですねー


兄弟で記念撮影!

上の記念撮影の写真ですが、前日と違い日が差しています。

この場所は冬場3~4時間程度日が差す環境のようです。
昨年の成虫材も写真を見ると、日が差しており、よく似た環境にありました。

さっきの話に戻りますが、良い朽ち方をする環境としては、
雨の少ない香川でも、日がほとんど差さない環境より、ある程度日が差す方が良いのでしょうね。

また、木の年輪が比較的厚い部分に入っています。
蛹室を採集するようになって気づいたのですが、
同じ木でも、年輪の間隔が広い部分の方が、良い具合に朽ちてるようです。
まあ、柔らかいので当然といえば当然ですけど・・・

という事は、少なくとも日当たりが良く、肥沃な地区の木は、成長が早いので、
枯れても良い状態になりやすいのかも知れませんね。

これも勝手な解釈で、本当は、もっともっと細かな要因があるのでしょうけど・・・








さて、根元付近の食痕は落ち着いてきたので、場所を変え、
幹の中央部で折れた、先端側を探ると・・・


いきなり3令中期のオス!


そして・・・



続いて、やりました!かわいい33mmメス!

どうでしょう?
この2頭は、根本付近の成虫とは産卵時期が異なるかも知れませんね。





最後に折れた部分から根元側の様子を探ると、2令幼虫数頭、3令初期3頭が現れ、
キリが良いところで終了です。





幹の中央下部はまだ容量も有りますので、これからも育んでくれるでしょう。



2日がかりで楽しませてくれたこの朽木、少なくとも3回以上は産卵に来ていたと思われ、
いろんなステージのオオクワガタが入居していました。

まさに“オオクワマンション”状態です。



左下のオス成虫がつや消し個体です。



他に良い朽木が無い上に、良い状態で尾根にあり、メスが集まりやすかったのでしょうか?

今回も例によって蛹室を持ち帰りました。
保管場所に困りそうですが・・・・・

それにしても、昔の採集記で読んだような状況が、現実のものになるとは・・・!!!
本当に幸運な体験で、香川の里山に感謝しています。

こんな事はもう無いと思いますので、長々と失礼しました。

一気に今シーズンのワイルド飼育予定数をオーバーしましたので、
採集はしばらくお休みにしようと思います・・・

                            














2015年2月1日日曜日

幼虫の餌交換結果

昨年末から1月中旬にかけてオオクワ幼虫の餌交換を行いました。
香川産の方は大きな幼虫も出ましたが、期待したラインは今ひとつ伸び悩みといったところでした。

オス最大で29.1g、メスで15.9g
自己採集F1のラインに限定すれば、オス26g台が最高でした。

まあ、F1ですとこんなものでしょうか・・・・? ?
オス親の形状を引き継いで、良形で羽化して欲しいものです。



問題のYGの方ですが、12月の序盤大変好調だったため、昨年超えは間違いなしと
大いに期待したのですが、中盤から後半に進むにつれ失速です・・・・・

トータルでは、最大体重&35gアップ率共、昨年を超える事が出来ませんでした・・・・

ただ、39g~40g台の大型幼虫は7頭も出たので、この辺りに期待を託しています!


以下が上位3頭です。

E1-2 32.4g→40.1g
E1ライン(78.5×50.7) 
このライン、良血のためたくさん幼虫を採りましたが、辛うじて1頭40g超えました。!
種オスは、小さいですがanchorageakさんのFラインで、一昨年熱望して里子してもらった中の1頭です。
両親はどちらも866ギネスを祖父に持つ良血なので期待してます。

種メスはアベレージが良かった当方A6ラインの個体です。







C6-10 34.7g→40.1g
C6-16 38.1g→40.5g
C6ライン(82.1×52.5)
このラインからは2頭、こちらもギリギリ40g超えです。
種オスは、同腹に86.0が出たA9ラインの個体、種メスは昨年40.5gの幼虫が出たA4ラインの個体です。
種メスの系統が、長さでなく幅に出るタイプなので、体重が乗ってますが、羽化しても体長はどうか・・・??
期待半分のラインです。

他では、大型は居ませんが、同じA9ラインの82.1mmを使用したC3、C5ラインなどは
密かに期待しています。


2本目伸び悩んだ個体については、自分なりに管理ミスが判明しましたので、来期は改善したいと思います。

期待が大きすぎたため、交換後は少しがっかりしましたが、
まあ、冷静に眺めると、この種親サイズからですから、大・大健闘ですね!

良い種を授けてくださった先輩方に感謝し、苦手の3本目を今期こそ克服したいと思います。




又、来期のブリードに向け、shimaさんから大型補強を行いました。


YGのオス1頭と能勢大型血統(混合)3頭の合計4頭です。

ブログリンクさせていただいている、ダイトウさんとBJさんの記事を見て、影響を受けてしまったようで、
来期はYG以外も力を入れてみたいと思っています。